カミナリ

蚊帳は
雷から本当に
守ってくれるのかな?
子供のころ、
そんな疑問を持つことはなかった。
親から聞かされ
信じ切っていた。
 ゴロゴロと鳴り出せば、
何はさておいても
蚊帳の中に飛び込んだ。
稲光や雷鳴から
少しでも逃れようと、
布団を頭からかぶり、
ブルブル震えて耐えた。
耳をふさぎ目まで閉じて、
雷が過ぎ去るのを
蚊帳の中でひたすら待った。
時々、
母も蚊帳に潜り込んでいたから、
蚊帳の神通力は
信じられていたのだろう。
大人になったころ、
蚊帳はとんと見かけなくなった。
といって、
雷は昔と変わらず怖い存在だった。
雷鳴が轟くと、
慌ててブレーカーを落とし、
部屋のど真ん中で
見ざる聞かざるを決め込み、
雷が過ぎるのを待った。
誰かに教わったわけではないのに、
いつもそうした。
本当に効果があったのか、
未だに分からない。
最近は楽観的になった。
落雷は
自分には無関係だと思っていたら、
近くの工場へ落ちたのに驚いた。
やはり雷に油断は禁物らしい。

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