松茸の記憶

秋を迎えていつも思い出すのは、
亡き兄の底抜けな笑顔、
そして得意げな顔……、
底意のない素朴な性格は、
誰からも好かれていたっけ。
家に閉じこもりがちの弟とは対極的に、
野人ともいえる
超アウトドア(?)人間だった兄。
夏はクワガタの穴場を熟知して
走り回っていたし、
秋になると山を駆け回り、
松茸やシバハリなどを
籠一杯収穫して帰ると、
家族に賞賛されては、
(どんなもんや)って得意顔になったものだった。
そにある底抜けの笑顔は最高だった。
「ほらそこにあるやろ」
外に出たがらない弟を引っ張り出しては、
松茸が群生してるところに誘うと、
思う存分取らせてくれたものだ。
傍には愛犬タロが
必ず「ハァーハァー」言っていたなあ。

両親と唯一の兄弟がみんな鬼籍の人となって以来、
何かにつけて思い出して胸がいっぱいになる。
きっと幸せにあふれた日々だったのだろう。

庭の木々が色鮮やかになってきた。
赤カナメに百日紅、酔芙蓉……
今もまた幸せなんだと思っている。
もうしばらく
その幸せに包まれた人生を
謳歌してみるかな。(笑)

img039.jpg松茸の土瓶蒸し2.jpg松茸の土瓶蒸し.jpg