おじいちゃん?

すっかり忘れていた胸躍る瞬間!
観客のちびっこは
紙芝居をじーっと見つめる。
ひ孫である。
紙芝居に自然と力がこもった。
 大型スーパーのイベント広場を借りて
土日四回公演。
協力願ったボランティアメンバーは
高齢者が中心。
昔取った杵柄はあるものの、
よくもまあ
やってのけた紙芝居公演である。
 演劇をやっていたのは三十年前、
杵柄もへったくれもあったものじゃない。
素人も同じだから、
案外怖いもの知らずでやれたのだ。
紙芝居の練習は勿論、
出演者やスタッフの参加交渉に
会場のイベント担当者との折衝など、
ぶっつけ勝負が続き、
息は抜けなかった。
 ちびっこ相手に程ほどは失礼だ。
舞台プランに
ひとりコツコツと取り組み、
昔話の主役を
絵姿に何枚も仕上げた。
おおきなカブは新聞を丸めて完成!
本番は万全の用意で迎えた
 ラストは絵本『おおきなかぶ』で
会場のちびっこたちを巻き込み、
「うんとこしょ、どっこいしょ」と
沸きに沸いた。
成功である。
「おじいちゃん、
面白かったって言ってるよ」
 片付けにかかった私に
声をかけたのは娘。
くっついている孫の真剣な目に驚いた。
笑顔で応じたが、
孫の表情は固まったままだった。
「今日のおじいちゃんは
シラナイお爺ちゃんだから」
娘が教えたと後で聞き、
納得した。
「公演ではちびっこみんなのおじいちゃん。
明日はきみだけのおじいちゃんになるからな」
 帰る娘と孫の背中へ、
思いを届けた。
 紙老後の生きがいに紙芝居。
予感を覚えた。
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