父親の後悔

「帰ったらすぐに手を洗ってうがい」「歯磨いたか?」「顔洗わんと不潔やぞ」
 子どもたちにそれは細かく指示する私を見て、
「あんた、ちょっとうるさくない」
 女房が子どもに同情したのか、いちいち文句を言う。
「バカ、健康に関しては少しぐらいうるさく言ってもいいの。親の務めじゃないか」
 と、気取ってカッコをつけたまでは良かったが、
「年がら年中風邪引き込んで、不摂生の典型みたいな親はどこのだれだっけ」
 この奇襲攻撃にはグッと詰まる。
「だ、だからだ、子どもだけは同じ目にあわせたくなくて」
「そんな気持ちがあるなら、ご自分からお手本を見せていただけないでしょうか?それでこそ親だと思うんだけど、違う?」
「わ、分かったよ!やってやろうじゃないか」
 以来、子どもの先頭に立って手洗い、うがい、歯磨きをセッセ。この義務感でやるのって、案外つらくて大変なんだ。してやったりと言った女房の顔が恨めしい限りだ。
 ああ、そんな日々を送っていたっけ?

そんな身勝手な父親の愛(?)を受けて育った子供たち。4人も子供がいるというのに、今や親のそばにいてくれるのは末娘だけ。息子2人など、ボン正月にすら家に戻ってこない始末。身勝手で気ままな父親に愛想をつかしたのか、はたまた忙しすぎるのか?時々チラッと頭をよぎる困惑。
 知人が息子と飲みに行ったとか聞かされるたびに、後悔の念につまされる昨今である。
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