夢心地

ぼーっとしていると
いきなり娘に声をかけられた。
「聴いてよ」
「は?」
すぐには頭が回らなかった。
娘も父親に似て口下手。
伝えたい三分の一ぐらいしか表現できない。(笑)

姿を消した娘に
(なんだろう?まあいいか)
諦めだけはいい私である。(笑)

すると
ヴァイオリンの音色が耳に入った。

そこでようやく気付いた。
練習している演奏を聴いてほしいのだ。
(え?嘘だろう……)
半信半疑ながら
嬉しさがジワーッと来た!

実は娘が練習するメロディを
まともに聴くのは6年ぶり。
「どっかへ行っててよ!」
高校生になった娘に宣言されて以来だ。

それまで娘の練習を10年近く
つきっきりで聴いていた父親には
寝耳に水だった。

それからは
娘が成長した証拠だと
自分に言い聞かせて
娘の目に見えないところで
耳を澄ませて娘の演奏を楽しむ
父親だったのだ。

「どうだった?どこか気になる?」
いきなり感想を求められてうろたえた。
それでも
「余韻がちょっと不満かな。
聞く人に届けようという演奏ができたら
鬼に金棒だろう。自分に酔えるところまで
到達できてるようだから」
いっぱしの批評家気取り。
自分でも面映ゆい心境だったが、
「そうだよね。ありがとう」
(え?ええ?)
こんな素直な反応の娘は
高校生になってからこっち皆無だったのだ。

音楽は門外漢だが、
舞台芸術は
40年以上没頭してきた先輩である。
娘のステージへの助言ぐらい
できる自信はまだある。
それでも
父親の意見を
素直に娘が受け入れてくれるなんて
想定外だった。

この月末に企画されている
加西市児童合唱団の定期公演の
ゲスト演奏を依頼されている娘。
小さいころ参加して
懸命に取り組んだ合唱団に招待されたのだ。
やはり公演に臨む気持ちは特別なのだろう。

娘の演奏は数回聴けた。
そのたびに娘と父親の芸術問答(?)は続いた。
もちろん
お互い最小限の言葉数だったが……!(ニヤニヤ)

本番の日は
あいにくといっていいのか
私は博多経由で
筑前の地に足を踏み入れている。
娘のステージ姿を見られないのが残念だが、
かの地で
娘が演奏するヴァイオリンの音色を
頭の中で反芻して幸せを感じられるだろう。

娘よ、わが最愛の娘よ。
悔いのない演奏を願ってるからね。

欲を言えば、
これからは
君の練習を間近で聴いていい
許可がほしいなあ。
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