コメと水

家の周囲に広がる稲田に穂が顔を見せた。
この夏の暑さがコメの生育に好影響を与えているのかどうかは知らないが、順調に見える。

数年前まで2反ほどの田んぼでコメ作りをやっていた。ただし、減反制度があって休耕の割り当てがあり、二年に一度のコメ作り。

一年のブランクがあれば、毎回ゼロに戻ってしまう。専業農家でもないから、コメ作りの基本ノウハウを身に着けているわけでもない。要するに素人農業なのだ。
そのアマチュア百姓がコメ作りを通じて知ったのは、水を制する者が勝つという原理。コメ作りに水の管理は絶対欠かせない。田植えから始まり、途中中干しといい、数度水を落とし田んぼを乾かさなければならない。この中干しを程らいにやってしまうと、稲刈りが、さあ大変だ。コンバインが泥と格闘する羽目になる。2度ミスって、泥だらけになりながら、普通時の2倍以上の時間をかけて刈り取り作業を終えたものだ。
給水路と排水路は、まったく別になっているから、水の給排水はいつも気になって休まらなかったのを思い出す。
江戸時代の百姓らのように水争いまでは至らないが、タイミングを見逃してしまうと、本物の百姓に怒鳴られる。
台風や集中豪雨などに遭遇すると、万事休すだ。収穫前に台風の直撃を受けて、イネは横倒しになって水につかり、使い物にならなくなったことがある。水につかった稲穂がちょろっと芽を出してしまったら、もう商品にはならない。
試行錯誤と、厳しい現実に翻弄されまくったコメ作りだった。
そんな苦労を経て得た自家米は、格別に美味かった。
コメ作りを始めてから、外食のご飯はまずくて食べられなかったっけ。それまでは市販の弁当などをよく買っていたが、コメのうまいまずいを知ってしまうと、惣菜だけを買って帰るのが普通になってしまった。うまいコメは、ごはんだけでおかずがいらない。田舎にいると、そんないいことも体験する。
稲田を覗いてみた。田んぼの表面が乾燥してひび割れている。いい塩梅だ。この調子で、大型台風来襲などの天変地異が怒らない限り、今年は大豊作で間違いないだろう。
いまは他人事ながら、自然と嬉しくなる。
「おう、暑いのう」
古老の百姓さんだ。コメ作りで親身になって手を貸してくれた恩人である。
「今年は豊作みたいやな」
「まだまだ分からんでのう。コメは難しいわい」
プロの百姓は決して気を許さないのだ。お見事!

画像

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック