生意気なこととは裏腹に

生意気な言葉と裏腹に焦りの色

 小学3年の長男が最近、やけに大人顔負けの口をきくようになった。この間も家族で出かけようと言う時、「イチヌケタ」と言い出した。
「ボク、行かない。やることがあるんだ」
 誰もいない家にひとり残すのが心配な夫は「うまいもんでも皆で食べようや、な」
「食べ物で釣られたりせーへんで、ボク」
 さすがの夫もタジタジである。
「いったい何をやるんや?」
「いちいち言わんでもええやろ。あかんの?」
「いや、そんなことあれへんけど…」
 結局、夫の説得は功を奏せずに終わった。
「しゃーない。ほなちゃんと留守番しときや」
 と、他の家族がそろって玄関を出て、さて車に乗ろうとすると、バタバタと足音が。
「ボク、行ったるわ。しゃーないわな、家族のきずなが最優先やから」
 生意気な長男のセリフだったが、その顔には焦りと不安の色が。
(まだ子どもなんだ!)と内心、「ホーッ!」
 顔を見合わせてニヤリとしたわたしと夫でした。
(神戸・1994・2・4掲載)

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