押し付け勧誘まっぴらごめん

押し付け勧誘真っ平御免だ

「ビデオの買いを見に来ない?」
 久しぶりに顔を見せた知人がにこやかに話しかける。何のことはない、宗教の勧誘である。相手の気を悪くさせまいと慮り、あいまいに笑いながら首を振る。
「絶対に幸福に導いて貰えるのに…」
 と、まだ20歳すぎの若者なのに、もう悟りを開いたふうにのたまう。
 別の知人はおもむろにパンフレットを見せながらの勧誘だ。よく聞く健康食品の会社。
「絶対にもうかる話や。この代理店のアルバイトやらへんか?」
 またしても絶対である。
お次は外資系の洗剤のセールスとかで、絶対もうかるため数に制限つきだから、早く契約しないと儲け話を逃してしまうと言う。余計なお世話だ。
 断りの言葉を考えながら、やはり微笑でごまかす気の弱さ。我ながら自分の性格が嫌になる。だが相手は自分本位を通す。帰り際、不思議そうに見つめて、「絶対に儲かる話なのに、残念やなあ。こんなおいしい話、もう絶対あらへんのに…」と、未練たっぷりに捨て台詞(?)を残した知人。
 さらに、多くの知人友人がいろんなセールスに来る。
「絶対に損はさせない」「絶対に信じられるさかい」絶対、絶対のオンパレードだ。
 世の中、絶対至上主義社会にでもなったのだろうか。それとも不確かな要素の多い現在、逆説的な効果を狙ってか。どちらにしろ、押しつけセールスは、絶対!真っ平御免だ!
(讀賣・1987・9・1掲載)

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