自然体で生きる

自然体に生きる

 この7月に4人目の子を授かる。妻は保母を辞めたので、その稼ぎ分も私にかかってくるが、わが家の家計は自慢じゃないが、その程度でやりくりがつく。といって貧乏の悲哀など微塵も感じない。
 私たち夫婦が今ほど豊かさを実感している時期はあるまい。お金はないし、外食や旅行も手が出せぬほど遠い。それがなぜ?つまり心の豊かさなのである。
 わたしたちには愛する家族とその笑顔がある。そしてちいさな畑で野菜を作り、裏山から薪を集めて風呂を沸かす。時々、子どもたちも進んで手伝う。これ以上はない財産を手に、何も文句はない。
「お金がないから幸せなんちゃう?」
 おなかの大きい妻が屈託のない笑顔で言う。
 わが家の食卓は自家栽培の旬野菜が中心の手作り料理が並ぶ。二区も魚も、忘れない程度にしかお目にかかれないけれど、それでも家族みんなは健康である。
 お金に頼らない豊かさの強みは、人間らしい自然体の生き方が出来るってことに尽きる。
(讀賣・1996・6・2掲載)

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