常識に欠ける若者に出会った日…?

常識にかける若者に出会った日

 三重の前に置いておいた自転車を若者がヒョイと乗って行った。後を追いかけた追いかけなんとか取り返して来た。若者は近くの有名な予備校に通う男の子だった。
「遅刻しそうやったんで借りただけや」ととんでもない弁解をしたそうだ。
「他人のもんを黙って乗り逃げしとって、そんな言い草があるかい」
 夫は腹が治まらない様子だった。それは当然で、自転車を追いかけた夫は、もう息が切れる寸前だった。興奮して忘れていた足も痛いと気付いている。
 翌日、予備校生が母親に引っ張られる感じで店にやってきたが、本人はわれ関せずといった態度。母親は菓子箱を突き出して苦笑しながら、「「うちの子がおたくの自転車を無断でお借りしたそうで、ほんとにまあ、この子と言ったら…」
 カチンと来た。(あなたの息子さんは、借りたんじゃなく盗んだの。それをはっきりと本人に自覚させなきゃダメでしょ!それが親の大事な役目じゃないの!)思わず怒鳴りそうになったが、グッと抑えた。夫も私も事を荒立てるような性格ではない。いくら形だけとはいえ謝られたら、それ以上何も言えなかった。だいたいこんな事件にいままで遭遇したことがないのだから。
 そう!この事件があった10年ほど前のあの頃から、勉強ができても非常識そのものという若者がどんどん増えてきた気がする。
(讀賣・1996年3月17日掲載)

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