昔人間の余計なおせっかい

昔人間の余計なおせっかいか

 経営していた喫茶店を閉めた15年前、ピンクの公衆電話用の権利を休止扱いにした。商売をしなければ、自宅の電話一本で充分だったのだが……。
 契約を解除すれば面倒はないが、「将来、子どもの誰かが大学に進んでアパート暮らしをしたら、必要になるやんか」と自信満々で妻を納得させた。
 その時がついにやってきた。大学に受かった長男がアパート生活を始める。
「さあ、電話の取り付け、いつにするんや」すでに三度の更新を終えている休止電話の、「待ちに待った晴れの出番」のはずだった。
 ところが、「そんなん、ええわ。要らへんで」「そうやな。使わへんもんな」つれない息子と妻の反応に、わたしは思わず「え?」。
 そう、時代は大きく変化して、携帯電話が“猛繁殖”している。加入電話の居場所はない。携帯を使いこなせない昔人間の余計なおせっかいだったようだ。
(讀賣・2004・4・11掲載)

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